マリアージュ!

2004年/101分/カラー
監督・脚本:ヴァレリー・ギニャボデ
出演:マチルド・セニエ、ジャン・デュジャルダンミウミウ・リオ、アレクシス・ロレ
6月18日(金)12:00

「愛することは素晴らしい」と神父が熱意を込めて語っても、フランスでは3組に一組の夫婦が離婚するご時世だ。そんな中、25歳の2人が結婚する。しかし、参加した結婚10年目の35歳の夫婦はお互いにいがみあっている。45歳の夫婦は既に離婚した。他の夫婦を見ても、結婚の理想像が崩れていくばかり。それぞれの夫婦が疑惑に揺れ、気持ちの変化に戸惑い、式を混乱させていく…。

「結婚に希望はあるのか?」と溜息をつきたくなってしまう。今まさしく希望に溢れたカップルが結婚しようとしているのに、周りの夫婦たちは結婚にまつわるトラブルのオンパレード。結婚10年目で、奥さんに興味がなくなり、努力をしなくなった夫。無関心な夫に腹立ち、他の男と不倫をする妻。別れた奥さんの目の前で新しい恋人といちゃつく男。自分の夫の浮気を25年も黙認してきた妻。セックスをしたのは既に15年前の夫婦…。これぞ、フランス流、結婚問題のフルコースである。こんな彼らが織り成すエピソードの数々は、観ていて飽きる事はなく、お笑い人生劇場のように楽しめてしまう。けれど、ふと我に返って、「明日はわが身」という皮肉さも感じてしまう。これから結婚する人には踏絵のようなフィルムであり、既に結婚した人には、あまりのリアルさに身につまされるかもしれない。結婚する意味はどこにあるんだろう、という疑問を投げかける本作だが、最後にちゃんと温かいヒントが隠されている。結婚というものに悩んだことのある者同士、観終わった後に、語り合いたくなる映画だ。

ギニャボデ監督による鮮やかな脚本と世代の違う魅力的な俳優たちのアンサンブルが見ものの本作。フランスの結婚式の実情が見られるのも面白い。4月のフランス公開では、公開1ヶ月を待たずに百万人以上の動員を記録する大ヒットとなっている。