モナコ大公レーニエ3世死去

ローマ法王に続きモナコ大公も亡くなったことで、フランスと関係の深いフランスでは大きな話題になっています。バチカンに続き世界で2番目に人口の少ないこの国の元首が亡くなったことで何か感じているようです。

日本ではローマ法王の死去のニュースは大きく報じられましたが、モナコ大公のレーニエ3世に関する話題はほとんど伝えられておりません。レーニエ3世はそれまで豪華なホテルとカジノというさほど努力をしないで儲ける国という印象を持たれていたそうです。

レーニエ3世は1949年26才で即位し、実業家としても才能をもっとも高く評価されています。即位7年目でハリウッドスターのグレース・ケリーと結婚したことでも有名になりました。ちょうどこの結婚を期にして、モナコも大発展を遂げていくことになります。

フランスの地中海沿岸コート・ダジュールのイタリアとの国境近くに位置する約2Km2の国土に3200人の住民と4100人の就業者、そして失業者はほぼ皆無とも言われる、この国の国内生産は9億ドル、650億ユーロがモナコの銀行に納められています。

特に税制特例を設け外国金融機関の誘致をしました。これは当時のフランス大統領ドゴールの怒りを買いましたが、フランス人だけには課税することで和解しています。

現在では、ホテル・カジノなどの観光業以外にも、精密機器などの工業も発展し、93年5月には国連に加盟し国際的にも存在感を高めることになりました。特にカジノによる国家収入は以前は95%にも達していたのですが、現在では5%程度になっています。

モナコの王位継承は特殊で長男が生まれない場合、フランスへ併合することになっていましたが、2002年に大公家断絶となった場合でもモナコの存続を保証する条約を締結した。現元首は、アルベール2世(アルベール王子)で、3ヶ月間喪に服すために、戴冠式はその後となるそうです。